蕾
咲いてよいのか迷ってしまうような肌寒さの中で、
桜はどうしているのかしらと、ふうっと見上げた。
茶色い枝の先に、みどり色の蕾がふっくらとしている。
咲いていいよと春風が誘うから、安心していたかのように、
もう蕾を開く準備は万端で。
あと少しだけ、お日様が照らしてくれるならば、
今すぐに花を咲かせましょう。
そういう佇まいの桜は、悩んでいるように見えた。
自分の意思だけではどうにもならないことはある。
咲くためには、気温や陽射しや空気と水分たちが必要。
生きるためにも、必要なことはたくさんあって、
あたしにもあなたにも、必要なものがたくさんある。

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